KBS京都で放送中の『谷口流々』。
谷口キヨコが、京都を中心に活躍する人々の仕事現場に足を運び、十人十色の人生哲学を紐解いていきます。
2023年9月16日(土)の放送では、ラオス料理人・小松聖児さんに話を伺いました。
Profile:ラオス料理人・小松聖児さん
![『小松亭タマサート』店主の小松聖児さんのプロフィール。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/cfa31be19ff43cd6434394f2a15c6816.jpg)
小松聖児さんは、琵琶湖の魚を使ってラオス料理を提供する『小松亭タマサート』の店主。
店名の『タマサート』はラオス語で“天然、自然のもの”の意味で、定まった店舗を構えないポップアップレストランやマルシェ出店の形で営業しています。
淡水魚が好き!
![インタビューに応じる小松さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/56d1d1810225be2bd05b2b83cd535495.jpg)
京都出身の小松さんは「滋賀が大好き」なのだそう。何百年も食べ続けられている『鮒ずし』や『鮎の佃煮』を新たな形で提供したいと考え、”琵琶湖の魚で内陸・ラオスの伝統料理を作る”ことに取り組んでいます。
![並んで対談をする小松さんと谷口さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/2f74dfa6b93521835eab0cad2e517309.jpg)
小さい時は琵琶湖に行くのが最大の楽しみの一つだったという小松さん。淡水魚に興味を持ち、捕まえた魚を図鑑で調べたり、実際に飼ったりしていたそう。
![対談をする小松さんと谷口さんのアップ。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/a21d4a87c1a0becec96633ddcd383a82.jpg)
その後、大学へ進学し国際関係学を学ぶ一方で魚と関わる時間が減少。その代わり、プライベートが魚ばかりになったのだそう。
当時を「魚のことを勉強したいという想いが固まってきて。それをやらずにはいられなかった。」と振り返ります。
淡水魚王国ラオス
![ラオスの市場で魚が売られている様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/aad9e68f50421ca94f0b705ceac70127.jpg)
そして、京都大学大学院アジア・アフリカ研究研究科で本格的に魚の勉強をスタート。ラオスの都市部における淡水魚の消費・流通についての調査研究に取り組みました。
![種類が混ざって売られている魚の様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/4ea7237d4abd78347b3c8f01404784ba.jpg)
小松さんによると、ラオスではプロの漁業者に限らず、子どもの遊びで獲った魚も市場に並ぶのだそう。そのようにして獲られた魚は、仕分けることができないほど種類が混ざってしまっていますが、『魚醤』に加工して消費することができるといいます。
![「日本の淡水魚文化を広めたい」と話す小松さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/bc222ed325ebc9353cff4309872e3fbb.jpg)
京都も昔は淡水魚を食べる地域であり、琵琶湖も近い。25年ほど前の京都の商店街では必ず川魚を売る店が2、3軒ほどあったそうですが、今では9割以上が閉店してしまいました。
そこで、小松さんは「日本の淡水魚文化を広めたい」と思うようになりました。
ラオス料理で淡水魚の魅力を伝える
![マルシェで淡水魚を使ったラオス料理を販売する様子。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/3411b9fea5e7efd32e9f2493bf1b373d.jpg)
大学院を修了し、魚を流通させる会社に就職。仕事では好きだった市場に関わり、休日はマルシェで琵琶湖の魚を使ったラオス料理を販売するように。
知り合いのラオス料理屋を訪れたことが、ラオス料理を作るきっかけだったそう。
![「人の口に淡水魚を入れたい」と笑顔で話す小松さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/3066a4b9158c21fb74e5d7aaa5f90a50.jpg)
「人の口に淡水魚を入れたい、とにかく食べてもらいたい」と話す小松さん。淡水魚文化の普及のための第一歩がマルシェでの販売です。
![レストランを間借りして『小松亭タマサート』を営業する小松さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/b565cf691ec7876be028d6976e30a0d2.jpg)
小松さんのラオス料理を食べた人は皆「こんなにおいしいんや!」と驚くのだそう。次第に料理への意欲が高まり、独立して間借りレストランを始めることに。
小松さんが淡水魚を食べさせたいと思うパターンの一つは「淡水魚にあまりよくないイメージのある人」なのだそう。
![琵琶湖産の天然のニゴロブナとハーブや野菜を蒸して作ったラオス料理『モックパー』。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/a18f560fb3026b99e7a540a1433a1241.jpg)
大きな葉に包まれた、ラオス料理の『モックパー』。琵琶湖産の天然のニゴロブナと、ディルをはじめとするハーブやたくさんの野菜を一緒に蒸しています。
![お皿に盛りつけられた『モックパー』。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/9167335d60b9b3e177f3c3cd19598f19.jpg)
気になるお味はハーブの香りがしっかりしたピリ辛の味付けでご飯がすすみます!
![「コンビニエンスストアに『湖魚フライ』を置いてもらう」と最終目標を語る小松さん。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/8c98531f39535cef3c001fe9efcfc9f7.jpg)
一口食べて「いいな」と思ってもらうことを第一にしているという小松さん。
最終的な目標は、コンビニエンスストアのホットスナックコーナーに『湖魚フライ』を置いてもらうこと。淡水魚文化のある京都や滋賀において、淡水魚料理が身近であることを目指しています。
小松さんを表すことば
![小松さんを表すことば”たんすいぎょクン”。](https://kyotokurasu.jp/uploads/2023/10/88a3550061bd5b2786b4163ea000e942.jpg)
今回の”小松さんを表すことば”は『たんすいぎょクン』。
琵琶湖の魚の研究をする人は少なくないですが、淡水魚を料理として広めるところ、加えてラオスを結びつけるところに新しさが感じられました。
小松さんの琵琶湖の淡水魚への情熱はとどまるところを知りません!
なかなか珍しいラオス料理と淡水魚。これを機にぜひ一度体験してみたくなりますね。
文/さとみ縁
【画像・参考】谷口流々(毎週土曜日9:30~10:00) – KBS京都
※この記事は、2023年9月16日(土)放送時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。